2008年08月25日

「ナイチンゲール」の虚実 ㊦

ビューポイント 沖縄戦「集団自決」から62年 真実の攻防

「ナイチンゲール」の虚実 ㊦


敵の砲弾から看護婦かばう


踏みにじられた遺族の誇り

22歳ごろの上原貴美子さん 22歳ごろの上原貴美子さん(写真提供:上原一政さん)
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「テレビに、『最後のナイチンゲール・上原貴美子』とあるけど、これ、おばちゃんのことじゃないの?」

沖縄県糸満市に住む印刷業を経営する上原一致さん(70)に、姫路の叔母から電話が入ったのは昨年のお盆が過ぎたころだった。

「録画してくれ」と上原さん。「もう年だからね」と叔母。

一政さんは東京の弟に電話を入れた。

「貴美子おばちゃんのドラマが放送されるから、必ず録画して送ってよ」

東京で放送された四日後、沖縄でも放送されると知った。仕事もせず、ワクワクしながらテレビの前に座った。一政さんの父と貴美子はいとこ。貴美子が物心つくころ、既に彼女の両親は病死しており、貴美子は四歳下の妹ハル子さんの面倒を見てきた。

激しい銃撃戦の中、ハル子さんは九死に一生を得た。戦後、毎年六月二十三日の慰霊の日には、姉の位牌(いはい)、のある上原家を訪ねて線香を上げて、摩文仁(まぶに)の丘まで続く平和行進の列に加わった。

二年前、八十二歳で亡くなったハル子さんから、貴美子おばちゃんのことを

「物事をはっきりと言う女性で、軍医にも指導するほど男勝りな人だった」
と聞かされていた。

滋賀県に住む、一致さんのもう一人の弟の妻も、その二人の娘も皆、看護師だ。彼女たちにも、貴美子の献身的な生き方は「とうてい、ここまでできないわ」と鮮烈な印象を与えている。

一政さんの家には、戦時中に貴美子に治療を受けて命が助かった人、貴美子から

「這(は)ってでも南の方に逃げなさい」

と助言され、生き延びることができたという人や、ひめゆり学徒の生き残りの女性たちなどが今も訪ねて仏壇で静かに手を合わせる。一政さんは貴美子と面識はなかったが、「日本のナイチンゲール」と称賛される女性が親戚(しんせき)にいたことが、大きな誇りだった。

しかしドラマを見て、国のために殉じた貴美子の生き方に、そして一政さんが抱いていた誇りに、いきなり泥を塗られるような激しい不快感に襲われた。

「死を目前にしてあのエッチシーンは、全く不自然です。

日本軍が背後から撃つ場面もけしからん。言語道断です。

すごい期待をしていたのですが、裏切られて残念です。

親戚の子供たちにも

『あの最後のシーンは無視しなさい』と電話を入れましたよ」

果たして上原貴美子の最期は、ドラマのように日本兵に背後から銃撃されたのか。

事実は全く違う。

女優の香川京子は映画『ひめゆりの塔』(今井正監督、昭和二十八年)主演をきっかけに、生き残ったひめゆり学徒との交流を重ぬて、ようやく貴美子と最後まで行動を共にした大城静子さんの存在を突き止めることに成功している。

ただ、大城さんは昭和二十七年に同郷の人と結婚し、アルゼンチンに移住して既に四十年が過ぎていた。香川は国際電話を入れるが、日本語での会話が難しく、改めて手紙で質問状を送った。

その返答によれば、上原婦長は比嘉軍医、看護婦の大城さん、国吉さんの三人と行動を共にしていた。

六月中旬、米軍の南部への集中攻撃はさらに激化し、自然壕(ごう)に潜んでいた兵士や県民がガス弾や火炎放射器の犠牲となった。

四人は摩文仁の壕(現在のひめゆりの塔)から山城の丘に向かい、道端の雑草の茂みに身を隠した。

国吉さんがのどの乾きに耐えられず「水が欲しい」と叫んでいたその時、

敵の砲弾の雨が彼女たちの頭上に降ってきた。

大城さんは、こう綴(つづ)っている。

「私は、意識を失いました。

しばらくして気がつくと、婦長さんが私を抱きかかえるようにして、

私の上に折り重なっていました。

驚いてよく見ると、胸元に大きな穴が開き、即死の状態でした。

右側をみると、比嘉軍医は頭を砕かれ即死、

左側に国吉さんは首をやられて即死していました」

大城さんも足を撃ち抜かれていた。

死のうと手榴弾(しゅりゅうだん)の信管を抜くが、不発だった。

捕虜となり、生き残った彼女は戦後、上原婦長らの遺骨を捜し当ててハル子さんに渡している。

香川は書く。

「自分の妹のように可愛がっていた大城静子さんの上にのしかかるようにして息絶えていたのは、砲弾から若い人の命を守ろうとした、母親のような献身の気持ちのあらわれではなかったでしょうか。

ほんとうに最後まで愛情の深い人だったのです」

上原貴美子をモデルとした二時間半の終戦記念ドラマを制作するのであれば、

この事実を基に描くべきだ。

そして、アルゼンチンに大城さんを訪ねる設定にすれば視聴者にどれほど深い感銘を与えたであろうか。


Takashi
ある映画監督が仰っていたのですが、日本の映画界は8~9割は左翼系だそうです。
テレビに映っている有名人も左翼系は多いですが、番組を作る側は殆どが左翼といって良いでしょう。

自称平和主義者(赤いゴキブリ)のプロパガンダに騙されないように!



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Posted by ●Takashi ちゃん 05:50│Comments(5)沖縄問題
この記事へのコメント
日本映画界、現状では変態映画を100本以上撮影した人がNHKで映画解説を担当しているのですから正常とは云えませんが、この映画も看護婦さんに対する侮辱でも有りますね。

戦後の娯楽映画は楽しめますが、戦争映画は殆どが嘘が多いようです。憲兵が一般市民を殴る、尉官・佐官が兵卒を殴る、本当はあり得ない事なのですが平気で映画にしてしまう。

服装にしても最近の人は知りませんから参謀長でもない将官が参謀肩章を吊るしたり、中国映画が描く日本兵の様な人が出てくるのも可笑しいですよ、考証も甘いのですね。
お名前: 猪 ちゃん 2008年08月25日 17:33
ひどい映画ですね。映画の最後の内容を聞くとちょっとうんざり気味に
遠目になりました(-_-;)
香川さんの書いた大城静子さんの証言は涙しました。
上原婦長のためにもご遺族のためにも真実をちゃんと伝えてほしいですね。
お名前: うらうら ちゃん 2008年08月26日 00:27
猪さんへ

返事が遅れて申し訳ございません。

NHKのレベルが分かりますね。
戦争映画は99.9%左翼系といって良いでしょうね。見る価値がありません。
期待された特攻隊の映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」も最低な映画だったと水島監督が仰っていました。嫌だけど特攻に行く感じだったそうです。なので、見ませんでした。
「ムルデカ17805」をテレビで放送してほしいですね。


うらうらさんへ

返事が遅れて申し訳ございません。

左翼からすると、これが感動的な演出なんでしょう。
事実を基に作るべきですね。その方が感動です。
お名前: ●Takashi●Takashi ちゃん 2008年08月31日 05:45
始めまして、こんにちは。

今日ランキングで初めて知った貴ブログですが、為になる記事が多く、とても参考になります。
僕も母方が沖縄の人間、僕自身も生まれは沖縄という事もあり、今の思考停止した売国奴に乗っ取られそうな沖縄の現状を危惧しています。

で、すみません、上のコメントですこし気になったのでちょっとカキコさせてください。

「俺は君の為にこそ死ににいく」
ですが、出来ましたら、鑑賞していただけたらと思います。

作中では、残した家族や友人や恋人との永遠の別れを惜しむ者
負けてしまうのかとの噂から犬死なのか?と嘆く者
整備不良でろくな飛行も出来ない機体が多く、これじゃ体当たりなんて出来ないと嘆く者
様々な理由から、特攻出撃への迷い、葛藤が描かれていました。

しかし、皆最期は
国の為
本土進攻を防ぐ為
残した最愛の人達を守る為
負けても負けた後国体を維持する為
そして、靖国で再び合って杯を交わす為…

やはり様々な理由で皆、特攻していました。
作中でのその様子は決して、嫌々、というものではなかったと思います。

他記事で古武氏が
「あなたは、命令があれば、走っている車にわが身を投げ出すことができますか。立つこともできないのに、『命令で自決した』と言う資格はありません。」
と仰っていられるように、命令だから、志願したから、といって中々簡単に死にに行くことは出来ないでしょう。

希望あふれる将来が待っていたかもしれない若者達が、自ら、志願して死ぬことを決めた。
そこに少しも迷いや葛藤が無いはずないではありませんか。

彼らはとてつもない葛藤のなか、それを乗り越え、覚悟して、最愛の人達の為に散って逝ったのです。
それを描き出すのは、決して侮辱的でも反日的でもないと思います。

むしろ実際あったであろう葛藤を少しも描写せず、ただただ盲目的に特攻に突き進む若者を描いたところで、共感は得られないと思いますし、さらには遺族や特攻した先人達への侮辱に当たると思います。

もろくて強く、美しくて儚い、そんな若者達の本当の心情を描き出そうとしたものだと思いました。

初めての書き込みで長文、大変失礼致しました。
お名前: 犬猫☆ ちゃん 2008年09月13日 14:44
はじめまして、犬猫☆さん

ご訪問ありがとうございます。

父方が本土の方であれば、本土風の名前でよそ者扱いされたかもしれませんね。私は両親とも沖縄人ですが、本土風な名前なので「ナイチャー?」とよく聞かれました。

そう聞かれたら「ああ、東京!」だから田舎者のお前達とは頭のできが違う・・・と、冗談を言っていました。
今考えたら、本土の人を嫌いにさせる工作になっていたのかな?反省してます。

「俺は、君のためにこそ死ににいく」は見てないので、何ともいえませんが、歴史や政治に関心のある犬猫☆さんが受ける印象と、思考停止状態の人が捉える印象は違うと思いますよ。

想像でしか言えませんが、雰囲気で捉える人には「やっぱり嫌だったんだな」と思わせるのではないか?そう思っています。正直言って、日本の戦争映画には期待していません。

水島監督が言うには「万歳」のやり方などが、嫌々やっているような感じで、色々おかしな場面があったと仰っていました。

何時かは自分で見て判断したいと思います。
お名前: ●Takashi●Takashi ちゃん 2008年09月14日 02:06
 
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